吹奏楽コラム
2024年08月12日

コンクールを終えて

今日は指導している学校のコンクールでした。会場では教員時代の教え子が補助員として手伝っていて、声をかけてもらい懐かしい瞬間を味わいました。

今は演奏が終わって結果発表待ちです。生徒たちも気を揉んでいることでしょう。しかし、結果よりもはるかに大事なことがあります。私が教員時代に生徒たちに伝えていたことを紹介します。

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コンクールお疲れ様。望んでいた結果を得ることはできなかった。しかし、結果には必ず原因があるものだ。

スポーツの世界には次のような言葉がある。

勝てば自信になる。

負ければ勉強になる。

 ところが、一歩進むと次のようになる。

悪く勝つと慢心する。

悪く負けると卑屈になる。

 我々は今回負けたのだから、「良質の敗北」となるよう、認めてもらったところと、次につなげるために課題としなくてはならないことを得点や講評はもちろんのこと、それ以外から探し出さなくてはならない。

 今回の反省は、結果だけではなく、コンクールについて取り組み始めた期間全体の反省でなくてはならない。

 従って、当日の演奏はもちろんだが、今日までの取り組みを振り返ることが大事。問題解決能力は、問題発見能力がなくては育つことはない。

 なので、組織全体が反省すべき点と、組織の一員として個人が反省すべき点が必ず存在する。今日で3年生は仮引退する。残された現役部員の誰がこうした問題が見えているか、見えていないかが提出された文章から確認することができる。

 もし今回の悔しさを無駄にすることなく、来年の今は笑っていたいのならば、今日から1年後のPDCAを動かし始めることだ。

 次のイベントは文化祭だ。文化祭は学年アンサンブルがある。PDCAの理解度、演奏能力など、学年ごとの真剣勝負だ。自分たちを成長させるための教材は至る所に転がっている。繰り返すが、問題解決能力は、問題発見能力がなくては育つことはない。

カテゴリー「ブラスのひびき」とは、私が現役の教員時代に生徒に配布していた吹奏楽部通信でのタイトルです。そのため、高校生に語りかける文体になっています。予めご了承ください。

コンクールでは多くの学校が良質の敗北で終わるのですから、結果から正しく学び、自己を成長させて欲しいものです。

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