ブラスのひびき
2024年04月20日

とうそう

生物は危険に直面した時に「闘争(Fight)」か「逃走(Flight)」を瞬時に本能で感じ取るのだそうだ。生物にとって絶滅は避けなければならないからだ。絶対に勝てない相手に向かって「やってみなければわからない」などと無謀なことを口にするのは人間だけである。

 しかし、生命の危機ではない場面で「逃走」を選択した場合、そのあと自分に何が残るか、惨めさしか残らない。逃げずに挑まなければならない場面を見誤ると偽りの誠実さと、安い、自分を甘やかす偽りのプライドしか残らない。

 「やらなければならないこと」がなんだか理解できず、自分の気持ちを優先している生き物は人間の世界では未熟者としか扱われない。過去の歴史が証明しているので、次の項を読むといい。

カテゴリー「ブラスのひびき」とは、私が現役の教員時代に生徒に配布していた吹奏楽部通信でのタイトルです。そのため、高校生に語りかける文体になっています。予めご了承ください。