3人の人をイメージしてみよう。
A…常に自分を成長させている人。この人の成長率は毎月10%。平日の家での勉強時間が最初の月が30分だったら、次の月は33分という計算になる。
B…マイペースながら、無理のない範囲で自然に成長する人。この人の成長率は毎月3%としよう。Aと同じように考えると、次の月は31分だ。これを成長と言えるかどうかは非常に微妙な1分だが…。それでも、やらないよりはずーっといいのだ。その理由は後ほど。
C…全く成長しない人。成長率0%。ま、こういう人は家での勉強時間はゼロの場合が多いよね。
(今回はこの3人で考えるけれど、最初30分家庭学習をやっていたのが次の月からやらなくなるように、マイナスの成長をする人間も普通にいることを忘れてはいけない。)
では、この3人がスタートの時点では同じ能力100という数字で表したとしよう。そうすると、3人の1ヶ月後の能力値は以下のようになる。
A…110(Cちゃんに対して10%up)
B…103(Cちゃんに対して3%up)
C…100
ここまでは暗算でできるだろう。では、2ヶ月後はどうだろうか?
A…120
B…106
C…100
と想像したのではないだろうか? ところがそうではない。Aは110の10%成長、Bは103の3%成長、Cは100の0%成長なので、結果は以下のようになる。
A…121(Cちゃんに対して21%up)
B…106.09(Cちゃんに対して6.1%up)
C…100
では、高校生活の3年間(36ヶ月)この成長率が続いたら、この3人にはどれほどの差がついているのだろう? これが演奏能力だったり、行動力だったり、いろいろな面で成長させようと努力した者と、自分を甘やかした者との差になる。
数値を自分なりに想像してから次のページに進もう。
36ヶ月後の能力値は以下の通り
A…2810.2(Cちゃんの28.1倍!)
B…281.4(Cちゃんの2.8倍!)
C…100
もはや同じ高校生と言ってはいけないほどの大きな差がついている。Bの人もAの人に比べれば成長率では劣ってはいるものの、何もしなかった人よりは36ヶ月後には2.8倍も成長したことになる。やらないよりはずーっとましなのだ。
成長曲線は、自分で自分をどのくらい大切に思うかで決まる。そして、これな高校時代に限った話ではない。高校卒業後もずっと続いていくことなのだ。だから、年齢を重ねれば重ねるほどその差は大きくなってしまう。また、その気になればいつでも挽回可能であるとも言えるのだ。
カテゴリー「ブラスのひびき」とは、私が現役の教員時代に生徒に配布していた吹奏楽部通信でのタイトルです。そのため、高校生に語りかける文体になっています。予めご了承ください。
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